肩甲骨はがしとは
さて、面白い看板を見つけたので今日は肩甲骨剥がしについて解剖していきましょう
肩甲骨を剥がすと聞いてどんなイメージをされるでしょうか
なんだか肩甲骨を剥がすと聞くと固まった肩の筋肉がほぐれて天使の羽のように肩甲骨が浮き出てきて身体が軽くなる
こんな感じでしょうか?
実際に適当に行ったとしてもある程度の効果を感じる事ができます
ただ、実際に大事なのは何をもって肩甲骨を剥がすのか
「目的」が明確になっているのかが何より大切なのです。
私もいわゆる肩甲骨剥がしのような手技を行う事がありますが、症状、歪み、状態によって指の入れるポイントや深さや角度など全く異なります。
肩甲骨剥がしの主な目的としてはおそらく肩こりの改善でしょう
であれば、まず肩こりがなぜおきてしまうかを理解しなければなりません
肩こりのメカニズム
肩こりにはいろんなメカニズムがありAさんの肩こりとBさんの肩こりでは全く施術のやり方が変わる事がしばしばです
だって誰一人同じ身体の人間はいないし、まったく同じ生活習慣だってひとはいないんですから
しかしパターンはいくつかありますので今回はよくあるパターンを3つ紹介いたします。
1.猫背、巻き肩タイプ
2.筋力低下、重力負けタイプ
3.骨盤、土台ガタガタタイプ
1.猫背、巻き肩タイプ
こちらは一般の方が一番イメージしやすいタイプかと思います。
肩こりの多くは基本猫背であり、巻き肩です
要因は長時間のデスクワークであったり毎日の家事や過度な胸筋ばかり意識した偏って筋トレ、それと重すぎるリュックばかり背負ってるなど
中には恥ずかしがり屋さんや対人関係が苦手な社交不安症など引っ込み思案な性格によっても形成されてしまうなど多岐に渡りますが、間違った認識や避けられない習慣によるものです。
この場合多くの問題は実は肩にない場合が多いのです。
この猫背や巻き肩のを形成してる多くは胸筋や上腕二頭筋など身体の全面にくっついている筋肉によるひっぱりが肩を前方に引き巻き肩や猫背を作ります。
その結果、背面の肩こりだと感じる僧帽筋という部分が引き伸ばされ血行不良を起こし痛みを発生させます。
2.筋力低下、重力負けタイプ
こちらのタイプも非常に多いです。
主に長時間のデスクワークや長距離運転など腕を上げたりする頻度が明らかに少なく、先程示した僧帽筋の活動低下によって血液の循環が著しくわるくなりだるさや重さを感じる。
誰しも地球上で暮らしてる以上、重量の影響は受ける訳で、肩のコリが強くても自重+重力に余裕で逆らうだけの筋力があれば意外と肩こりは感じません。
スポーツ選手などが良い例です。
しかし、日常習慣の中で腕や肩を多く動かす事は現代では少ないので次第に筋力が低下して運動神経も鈍くなり上手な肩の上げ方を忘れてしまい、必要のない部分に力が入り変な肩の動かし方をしてしまいます。
結果、肩甲骨と上腕骨の不適合によるインピンジメント症候群といった関節の痛み。又、肩関節周囲の筋萎縮に伴う炎症、いわゆる五十肩や
なで肩のように肩甲骨の位置が下がってしまい頸部や腋窩部での神経圧迫による腕の痺れなどが派生してくると考えられます。
肩こりだけでは済まないパターンも少なくないので重力に負けない事はかなり大事。
3.骨盤、土台ガタガタタイプ。
このケースは今回の肩甲骨はがしとは関連がないように感じると思いますが、一番理解して頂きたい項目。
今まで上げた2つのタイプは簡単に言えば2つとも猫背です。ただ猫背や巻き肩になる要因に違いがあると言う事なのですが、実は猫背を作る為には骨盤(腰)を丸めないと完成しないのです。
良くわからなかったら、是非やってみて下さい。
腰を軽く反らした状態で胸だけ丸くしようとしても出来ないはずです。
かえって、エビのようにお腹を潰すようにして丸くなると絶対に肩も丸くなる必要があります。
このようにして猫背を完成させる為には骨盤を歪ませないといけない構造になっているのです。
しかも現代人は腰を丸めるだけでなく、脚を組んだり、あぐらをかいたいり、お姉さん座りみたく脚を横に流したりとまぁ、個性豊かな座り方をなされる。
こうした土台がガタガタした状態だと上半身もバランスを取るために必死です。
なんとか右肩だけを上げたり、首を少し倒したりしてどうにか辻褄を合わせてバランスを保ちます。
自然ではないと言う事。
割と深刻な問題であって、仕事や家事など避けられない日常生活習慣はほぼ変えられないと言うこと。
本当はデスクワークなんか辞めて子供みたいに外で毎日遊んで疲れたら寝てれば肩こりなんて起きないんです
というか肩こりという概念すら知らずに済む
しかし、大人になるにつれそうも言ってられない状況は沢山でてくる為、私はある意味生活習慣病もしくは現代病だと思っているのです。
そして何より100人いれば100通りの独自歪みスタイルを確立してしまっており
何食わぬ顔で「何もして無いんですけど痛いんです」
と言われてしまう。。。笑
まあ歪みが当たり前になってしまっていると疑う余地すらなくなってしまうのは仕方ないですよね
初めに申し上げたように、Aさんの肩こりに対してとBさんの肩こりに対しての治療法は全く異なると言ってた理由がわかって頂けたでしょうか?
まとめ
肩甲骨を剥がすことは身体が楽になる手段として非常 に有効ではあるが、その方の持っている歪みスタイルによって肩甲骨剥がしだけでの完治は難しいと感じる
本当に健康な身体を目指すなら日常生活習慣で作り上げてしまった歪みや考え方の癖や間違った認識、この辺りに目を向けて改善しなければ何時まで立ってもマッサージ通いからは抜け出せません。
今回は肩甲骨剥がしというより肩こりの総論みたいになってしまいましたが次回は実際に肩甲骨剥がしを目的別にどうアプローチしたら効果的なのか説明して行きたいと思います。
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