慢性腰痛は動く事を恐れない。

慢性的な腰痛を抱える方に多く共通することがあります。

それは、「動くと痛むから安静を優先にしておこう」という考え方です。

腰痛を長いこと患ってしまっている方にとって「運動=痛める」という概念がインプットされてしまっている傾向にあると思います。

実際に慢性痛のメカニズムに恐怖-回避モデルという心理的側面の要因が提唱されています。

恐怖-回避モデルとは痛みに対する恐怖から今までできていた日常生活での動きを避け、動かなくなることによって身体的機能の低下や精神的な落ち込みが増悪し、痛みを生じやすくする悪循環に陥ってしまう事です。

この恐怖-回避モデルに陥ってしまった方は軽い運動は良いと頭では分かっていても実行にまでは移りにくいです。

たとえ運動を始めたとしても本当に可能な範囲の動きしかせずあまり痛みの改善には繋がりません。

この恐怖-回避モデルから脱出する為の手段は難しいのですがとてもシンプルです。

それは「痛みを治そうとしないこと」です。

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どうゆうこと?と思われるかと思いますが、厳密に言うと「目的をはっきりさせよう」という事です。

まず、恐怖-回避モデルに陥ってしまっている方は大前提として痛みを取る事がゴールだと思いこんでいることが多いです。

痛みを取ることは最終的には達成したいのですが、まずは痛みがあったとしても出来る事を増やす事が重要なのです。

痛みを取ることに執着するがあまりに、整体やリハビリなどたくさんの治療に通えば通うほど期待を上げては痛みが取れないとその反動で落ち込みます。

頑張って痛みを取ろうと思えば思うほど実は痛みから考えが離れず、より痛みを意識してしまうようになるのです。

しかし、私が考えている方法ではまず何がしたいのか、何が出来るようになりたいのかを明確にします。

例えば、長時間歩けるようになりたい。という目標でしたら多少痛みがありながらも歩くことを練習させるのです。

そして、今日はどれだけ歩けるようになったのか、など痛みが取れたかどうかで改善を判断するのではなく、目標にどれだけ近づいたかを改善の判断軸にするのです。

そうすると、患者様本人も痛みはあっても昨日より今日は少し長く歩けた、など変化に気づきやすくなります。

こうやって、痛いor痛くない、ではなく、出来ることが増えたかどうかで改善の良し悪しを測っていくのです。

実は痛みというものは、あるorない、の二択になってしまうことが多く、たとえ8割の痛みが楽になっていたとしても痛みは「ある」になってしまうのです。

それは、自己暗示のようなもので患者様自身も改善している実感がわかりにくいことが多いのです。

そして本来の目的を見失い、たくさんのドクターショッピングを行ってしまったりします。

しかし、出来る事にフォーカスしてもらうと日に日に改善している実感を感じやすいのです。

台所に5分立つのもしんどかったのが10分は立てるようになった

とか、

朝15分かけて起き上がっていたのが5分で起き上がれるようになった

など、ほんの少しの違いだとしても身体が改善している感覚を実感することができるのです。

なので、私が本当にお勧めする方法は毎日日記を書くことだったりしますがなかなか痛みが強く精神的にも落ちてしまっている方にそこまで要求するのは得策ではないのであまりしません。

重要なのは、自分と向き合う気持ちであって、痛みがあるからと言って目を背けないでほしいのです。

少し厳しい言い方に聞こえるかも知れませんが、慢性痛の方の多くは悪習慣に陥ってる可能性が高いので、痛みが取れればやりたい事が出来るという順序で改善することは少ないのです。

それよりも、出来ることを少しでも増やすように自分と向き合い習慣を変化させていった結果痛みがどんどん減っていくものなのです。

このケースでは極度の慢性痛の場合によります。

時間がかかっても良いという方は、なにか強制的に運動を強いられるタイミングを待ったりしますが、なるべく早期改善を目指すのであれば少しずつ意識を変えていく事が重要になってくるのです。

私の場合、強制的に意識を変えろと押し付ける事は一切しません、あくまで患者様の理想をお聞きし頑張れそうな範囲を見極めて一歩ずつ改善のサポートをするようなスタイルですが、今までも20年以上の慢性腰痛の方や脊柱管狭窄症による足の痺れの方など、さまざまな患者様にこういった方法を実践し効果を上げてきております。

慢性痛は施術だけでどうにかなるものでない事が多いので、私は施術家だからといって必ず自分の腕で治さなければならない、などと言った変なプライドはありません。

必要であれば、他の医療機関を紹介することもありますしリハビリの要素を取り入れたエクササイズを行うこともあります。

私自身、痛みをとならければと痛みに固執しないよう常に意識しているのです。

大事なのは目的なので、それを達成する為の手段は正直なんでもいいんですね。

今日は慢性痛の改善の考え方についてお話ししました。

少しでも参考になれば幸いです。

では😊

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